2025年4月以降着工の住宅に対し、断熱・気密性能を高め、エネルギー効率がよいとされる「省エネルギー住宅」が義務付けられます。それに対し、地域の気候風土に適した昔ながらの土壁や地場の職人による建具などを用いてつくられた住まいは、地産地消やコンクリートの使用量、廃棄物などの観点からトータルで環境負荷が少ないものの、断熱・気密性能が「省エネルギー住宅」と同様の基準ではないことから、「気候風土適応型住宅」として別枠扱いになります。
「気候風土適応住宅」の骨格はおおよそ決まっており、より具体的な項目に関しては、各地域ごとに詳細を決めることになっており、各地の取り組みを紹介する講習会を先日視聴しました。
そのなかで全国の取り組みも含めた現在の住まいづくりのあり方全体が「SDGs」の一環ということで最後締めくくられたのですが
SDGsが描く「誰一人取り残さない未来」は、あくまで「人間のためだけ」の持続可能な社会であり、地球の持続可能性ではありません。自分が子供のころ学んだ世界の人口は50億人でした。現在はその1.4倍の70億人と急激に増え続けています。
動物は、お金も電気やガスがなくても、自然の摂理に沿ったバランスの中で命をつないで生きています。
お金や電気やガスなどのエネルギーは便利な一方、それらが機能しなくなれば、私たちは狩猟をするすべも、耕す土地もないのでいとも簡単に命を落とすことでしょう。
50年後、人間が生き続けていられるかどうか。気候変動は、それくらい深刻なものだと感じます。
自分自身もできる範囲で環境負荷の少ないことを選んでいるつもりではあるものの
SDGsの精神は地球全体を考えたものではない、ということに改めて危機感を感じた講習会でした。
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