弾丸で、岐阜県関市の後藤昭夫藝術館へ。
ちょうど自宅の設計をしていたタイミングで訪れて以来
かれこれ3年半ぶりの訪問です。
できたてほやほやの建物が、何年も時を経て風雨に耐えた結果、目をそむけたくなるようなものになってはならないはずです。
そんなことを想い、以前訪れた建物の近くに来たとき、なるべく立ち寄り、ピカピカだった建物がどのように経年美化しているか、みにいくようにしています。
建物をつくっていくことは、その何年も先のことを考えながらおこなうもの
目に飛び込んでくる「便利」や「お得」を追った結果、時を経てなんだか陳皮になってしまう。そうならないような普遍的な感覚が大切だと思うのです。
今日はあいにくの雨でしたが
雨の日にしかわからないこともあり
たとえばお天気によって変わる壁の表情や室内の雰囲気といった感覚的なものから
屋根や壁を伝った雨水がどのように地面に流れていくのかといった具体的なことまで観察することができます。
時を経た結果、くたびれつつもよい風合いになり、風景のなかにそっと佇んでいるような
それは歳を重ねた人から滲みでる、生きざまやたたずまいとも似ているように思います。
あんなふうに歳を重ねたい、と思う気持ちは、人も建物も同じかもしれませんね。
まだあたらしい感じのする
藝術館の誰もいなくなったしんとした空間で
コーヒーをご馳走になる。
美味しい。
また数年後にも、訪れたいものです。
コメントをお書きください